私は普段そこまで厳格にマクロビオティックな食生活を実践していません。
調味料や食材も『美味しくて身体に良いもの』を摂り入れることにしています。
ただし、『マクロビオティックについてもっと知りたい』という方も中にはいらっしゃいますよね。
今回は至って真面目にマクロビオティックの調味料についてまとめます。
マクロビオティックの調味料について
マクロビオティックの調理では、みりん・料理酒・化学調味料は一切使いません。
昔ながらの製法で作られた塩・味噌・醤油だけで味付けをします。
この3つの調味料と野菜本来のうまみを最大限に利用して、調理していくのがマクロビオティックにおける基本となります。
それでは、それぞれの調味用について詳しくご説明します。
塩
まずは塩について。
市販されている食塩は化学合成された塩が多いです。
マクロビオティックでは、一般的に自然塩または海塩が使用されます。
自然塩とは
地下の岩塩層や塩湖などから天然に産出される塩のことを指します。
自然塩には以下のような特徴があります:
- ミネラル豊富: 自然塩は鉱物や微量栄養素を豊富に含んでいます。
カルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄、亜鉛などのミネラルが含まれているため、栄養素の補給に役立ちます。 - 非精製: 自然塩は、精製されていない状態で販売されます。
そのため、鉱物がそのまま残っており、風味や色合いに多様性があります。
一方、精製塩は鉱物を取り除かれているため、純粋な塩分のみを含んでいます。 - 風味や食材の引き立て: 自然塩は風味が豊かであり、食材の味を引き立てる効果があります。
微妙な塩味によって調味料や料理の深みやコクを与えることができます。 - 環境への影響が少ない: 自然塩は天然に産出されるため、精製塩と比べて製造時のエネルギーや化学物質の使用量が少なく、環境への影響が低いとされています。
自然塩は、バランスの取れた食事や健康的なライフスタイルを目指す人々に人気があります。
ただし、摂取する塩の量には適度な節度が必要です。
海塩とは
海塩は、海水を蒸発させて得られる結晶性の塩です。
海水を自然蒸発させるか、人工的に蒸発させることで得られます。
以下に海塩の特徴について詳しく説明します。
- 風味: 海塩は天然の風味があり、独特の深い味わいを持っています。
精製塩と比べて自然な塩味が感じられることがあります。 - ミネラル含有量: 海塩にはナトリウム塩以外のミネラル成分が含まれている場合があります。
これにはマグネシウム、カルシウム、カリウム、亜鉛などが含まれています。
ただし、ミネラル含有量は海塩の種類や産地によって異なる場合があります。 - 色彩: 海塩には色彩のバリエーションがあります。
一部の海塩は白く、他の種類では灰色やピンク色など、さまざまな色合いを示すことがあります。
これは、ミネラルや微量成分の存在によるものです。 - 加工方法: 海塩は天日干しや機械的な収穫・精製方法によって製造されます。
天日干しの海塩は、手作業で海水を収集し、太陽の熱を利用して乾燥させます。
一方、機械的な収穫や精製方法では、機械化されたプロセスが使用されます。
海塩は料理や調味料として幅広く使用されています。
その風味やミネラル成分が料理に深みや豊かな味わいをもたらすことが好まれているからです。
ただし、塩の摂取量には注意が必要であり、個々の健康状態や目標に応じて適切な摂取量を調整することが重要です。
マクロビオティックにおける塩の適切な摂取量は、個人の状況や健康状態によって異なるため、一概には言い定めることはできません。
ただし、一般的な目安として、マクロビオティックでは1日に2〜3グラム以下の塩を摂取することを推奨しています。
マクロビオティックの観点では、バランスのとれた食事と体質への配慮が重要なので、食品の選択や調理法にも注意を払います。
自然な食材を重視し、ハーブやスパイスを使用して調味することで、塩の使用量を抑えつつも味を引き立てることができると提唱しています。
味噌
マクロビオティックでは、味噌(みそ)は重要な食材として広く使用されます。
以下に、マクロビオティックにおける味噌の特徴について詳しく説明します。
- 発酵食品: 味噌は発酵食品であるため、消化しやすく、腸内環境を改善する効果があります。
また、発酵によって生まれる有用な微生物や酵素も含まれています。 - 深い味わい: 味噌は豊かな旨味とコクを持っています。
これは、味噌中のアミノ酸や糖類が発酵過程で変化し、うま味成分が生成されることによるものです。 - 栄養価: 味噌はたんぱく質、ビタミン(特にビタミンB群)、ミネラル(鉄、カルシウム、マグネシウムなど)を豊富に含んでいます。
味噌の原材料は大豆、麹、塩だけです。
そして味を大きく左右しているのが麹となります。
味噌の種類は大きく分けて以下の4つとなります。
- 米味噌
- 豆味噌
- 麦味噌
- 合わせ味噌(調合味噌)
これらの味噌を体質に合わせて選ぶのが良いとされています。
しかし、調味料の陰陽から見てマクロビオティックが推奨しているのは、中庸に近い麦みそとなります。
麦味噌は原材料の「麦」が肝臓を養い、「豆」と「塩」が腎臓を養う力のがあるので、美味しく飲むだけで、「肝腎要」の2つの大切な臓器を養うことができるとされています。
麦味噌とは
麦味噌の原料は、大麦やはだか麦で作った麦麹と大豆に塩。
塩分量は比較的少なめ。
麹の割合を多く造られることが多いため、麦の持つ甘さと合わせ味は甘みが強いです。
色は茶色から濃褐色になることが一般的。
麦味噌の最大の特徴はその香り。
他の味噌に比べ麦の香ばしい、甘さのある香りがします。
麦の風味と深い味わいが特徴で、料理に深みを与えることができます。
一般的に、麦味噌は栄養価の高い食材とされており、バランスの良い食事の一部として取り入れることが可能です。
ただし、個々の栄養ニーズや健康状態に応じて摂取量やバランスを考慮することが重要となります。
醤油
マクロビオティックでは天然の素材を使った、熟成された醤油を使用するを推奨しています。
しょうゆは大豆を主原料とした調味料。
しかし、遺伝子組み換えの大豆や、脱脂大豆などが使われていることもあります。
また、味や色などをよくするため、カラメル色素、アミノ酸などの添加物が加えられていることも。
しょうゆを選ぶときは、丸大豆や天然塩などが使用されているものを選ぶことが大切です。
以下にマクロビオティックで使われる醤油について説明します。
- 本醸造醤油: マクロビオティックでは、本醸造された醤油が推奨されています。
本醸造醤油は、大豆、小麦、塩を原料とし、自然発酵によって作られます。
この醤油は、発酵によって豊かな風味と旨味が生まれ、マクロビオティック料理に深い味わいを与えることができます。 - 有機醤油: 有機栽培された大豆や小麦から作られた醤油も、マクロビオティックで好まれます。
有機醤油は、農薬や化学肥料を使用せずに育てられた材料から作られ、より自然な味わいを持っています。 - 濃口醤油: マクロビオティックでは、一般的に濃口醤油が好まれます。
薄口は濃口より塩分濃度が約2%高いからです。
濃口醤油は色味が濃く、濃い旨味とコクがあります。
使用量に注意が必要な場合がありますが、風味豊かな料理を作るために活用されます。
『高血圧のもと』と嫌煙されがちな醤油ですが、美味しいだけでなく身体にとってもいい部分があります。
醤油は陽性の調味料。
血液の循環をよくして体を温めてくれたり、胃液の分泌を高めて、消化を助けてくれます。
また色素成分のメラノイジンが、血糖値の上昇を抑えてくれます。
更にはビタミンB群が、食べ物の代謝を助けたり、大豆ペプチドによる、コレステロールの正常化などさまざまな健康効果が。
摂取する醤油の種類や摂取量に注意しながら美味しいものを健康の為に身体に摂りこんでくださいね。