冬至の訪れと共に、一年で最も長い夜がやってきました。
日の光が短く、冷たい風が身にしみるこの季節は、私たちに自然の厳しさと美しさを教えてくれます。
冬至は、古代から様々な文化で祝われてきた重要な節目。
今回はそんな冬至についての伝統や習慣をご紹介します。
冬至の意味とは?
冬至は、太陽が赤道から最も遠い位置にある日。
北半球では12月21日または12月22日に起こります。
2023年の冬至は12月22日金曜日です。
冬至の由来は、地球の自転軸が傾いていることに関連しています。
地球は太陽の周りを楕円軌道で公転しており、地球の自転軸は水平ではなく約23.5度傾いています。
これにより、地球は一年を通じて太陽に対して異なる角度で照らされます。
冬至は、北半球において太陽が最も低い位置に達する日です。
この日は太陽が南の方向に最も傾き、一日の日照時間が最も短い日となります。
その後、冬至を境に日照時間は徐々に長くなっていきます。
冬至を祝う文化と伝統
冬至は季節の節目であり、多くの文化や宗教で祝われてきました。
日本では冬至の日にはかぼちゃを食べ、ゆず湯に入るという風習が古くから親しまれています。
かぼちゃを食べるのは、冬至を1年の締めくくりの日ととらえ、『いろはにほへと』の最後にあたる『ん』のつくものを食べるのが良いという縁起担ぎだという説があります。
かぼちゃは南瓜(なんきん)といいますもんね。他にも『冬至の七草』と呼ばれる人参、レンコン、銀杏、金柑、寒天、うどんなども縁起がいいと食べられていたようです。
他にもかぼちゃは栄養満点なので、つらい冬を乗り切る為に摂取しておこうという意味もあるようです。
では、もう一つの風習であるゆず湯にはどんな意味があるのでしょうか?
ゆず湯の由来
『ゆず湯に入ると風邪をひかずに冬を越せる』と言われている冬至の風習。
日本にゆずが入ってきたのは奈良時代ごろと言われています。
当時は薬用として使用されていました。
ゆず湯が始まったのは銭湯という文化が始まった江戸時代からとされています。
『冬至』⇒『とうじ』⇒『湯治』
『柚子』⇒『ゆず』⇒『融通』という語呂合わせから
『お湯に入って融通よく行きましょう』
『ゆず湯に入って元気に過ごせれば、融通がきいてうまくいく』
という意味合いが持たれていたとされています。
しかし、もともとは『禊』の一環だとも言われているのはご存じでしょうか?
禊(みそぎ)は、日本の伝統的な儀式で、心身の浄化を目的として行われます。
冬至は万物がよみがえる日という意味である『一陽来復』とも称されます。
一陽来復とは『この日極まった陰が陽に転じる』という意味。
冬至を境に日が長くなり、太陽の光が戻ってくる様子から『悪いことが続いた後に幸運がやってくる』とされる大切な日だと考えられてきました。
大切な日を清めた身体で迎える為の禊だとされるゆず湯。
ではなぜ『柚子』なのか。
それは、古来より強い香りは邪気を祓うと考えられてきたからです。
旬を迎えた香りの強いゆずを入れたお風呂は身体を清めるのに最適だと考えられたのかもしれません。
ゆず湯の効果・効能
では実際のところゆず湯の効果・効能とはどういったものなのか。
調べて以下にまとめました。
効果や効能には個人差がある可能性があります。
- リラックス効果: ゆずの香りや湯船に浸かることで、心身をリラックスさせる効果があります。
ストレスの軽減や緊張の解消に役立つと言われています。 - 血行促進: ゆず湯に浸かることで、体温が上昇し血行が促進されると考えられています。
血行促進により、体内の老廃物の排出や新陳代謝の活性化が期待されます。 - 抗酸化作用: ゆずにはビタミンCやポリフェノールが含まれており、抗酸化作用があるとされています。
これにより、細胞のダメージや老化を防ぎ、健康な肌を保つのに役立つとされています。 - 鎮静効果: ゆずの香りには鎮静効果があるとされています。
気分を落ち着かせ、不安や緊張を和らげる効果があるとされています。 - 美肌効果: ゆず湯に浸かることで、肌の保湿効果が高まると言われています。
乾燥肌の改善や肌のトーンを明るくする効果が期待されます。
以上は一般的に言われているゆず湯の効果効能ですが、個人の体調や感受性によって異なる場合があります。
また、特定の効果を保証するものではありませんので、注意が必要です。
ゆず風呂の楽しみ方
寒い季節に自宅でリラックスできる「ゆず湯」の簡単な作り方と入り方をご紹介します。
- ゆずを準備する: 新鮮なゆずを3~5個用意します。
ゆずの香りを引き出すために、できるだけ新鮮なものを選ぶことが好ましいです。 - お風呂の準備: お風呂にお湯をためます。
通常のお風呂の温度でOKですが、38度前後がリラックス効果が高いと言われています。 - ゆずを投入する: お風呂の中にゆずを投入します。
丸ごと投入してもカットして投入しても構いませんが、ゆずを丸ごと入れると刺激が少ないので、安心して入浴できます。
ゆずの香りと成分がお湯に溶け出すため、香り高いゆず風呂になります。 - ゆっくりと入浴する: ゆず風呂の中にゆっくりと入浴します。
ゆずの香りや温かいお湯でリラックスし、ゆったりと過ごします。 - 体を洗う:お風呂上がりは、シャワーで流すことが大切です。
ゆずのリモネンは紫外線に敏感で、肌の炎症やシミの原因となる可能性があります。
そのため、ゆず湯の後に日光に当たる場合、肌への影響が考えられます。
お風呂上がりにシャワーで顔や体をしっかり流すことで、ゆず湯の成分を洗い流し、肌への負担を軽減することが可能です。
注意する点を理解すると、リラックス効果を楽しみつつ、肌への健康的なケアを同時に行えます。
個人の好みや環境によって方法が異なる場合もありますので、自分に合った方法で楽しんでください。
まとめ
今回は冬至の伝統的な風習についてまとめてみました。
地域や文化によって異なる習慣やイベントがある場合もありますので、自身の環境や好みに合わせて過ごすことをおすすめします。
大切なことは、この冬至の日を特別な日として、温かさと幸福感を感じること。
寒い季節、頑張る自身へのご褒美としていつもとは違う過ごし方をするのもいいかもしれませんね。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。