炭水化物から得るエネルギーを脂質から得るように切り替える状態を目指すケトジェニックダイエットの流行により、敵視されてきた炭水化物。
しかし最近ではそのケトジェニックダイエットを行うリスクについて注目されるようになってきました。
- 糖質オフによる栄養バランスの偏り
- 食事制限の厳しさがもたらすストレス
- たんぱく質の過剰摂取による尿酸値の上昇
- 高脂質の食事による脂質代謝異常、脂肪肝、血中コレステロール値の上昇などの心臓や血管への負担
もちろん上記の内容はケトジェニックダイエットだけにおけるリスクではなく様々なダイエット全般におけるリスクです。
何かを極端に制限するということは、その分栄養バランスが崩れるということ。
正しい知識をもって取り組まないと、どんどん健康リスクが高まっていくということです。
せっかく我慢したのに体調を崩していくなんて悲しいですよね。
そこで今回は炭水化物のもたらすメリットやデメリットに注目し
身体にとって摂るべき良質な炭水化物についてまとめていきたいと思います。
炭水化物摂取におけるメリットとデメリット
ここで炭水化物を摂るメリット・デメリットについて以下にまとめました。
まずは、炭水化物摂取のメリットから見ていきましょう。
【メリット】
- エネルギー補充
炭水化物は、体内で消化されるとブドウ糖に分解され、身体のエネルギー源となります。
特に、運動をする前や疲れた時など、糖質を摂取することでエネルギーの補充が容易になります。
- インスリンの分泌
脳などの器官において、血糖値の維持に関係するホルモンインスリンは、糖質から分泌されます。炭水化物を摂取することで、インスリンの分泌が促進され、血糖値が適正範囲内に維持されます。
- 消化器官の健康維持
炭水化物に含まれる食物繊維は、消化器官を健康的に保つ効果があります。
大腸を刺激して便秘を解消する作用があるため、腸内環境を整えることもできます。
- 食事のバランス
主食として取る炭水化物には、低価格で調理が容易にでき、食品との相性が良いというメリットがあります。
米、パン、麺などの炭水化物を適量摂取することで、バランスの良い食事を実現し、栄養素をバランスよく摂取することができます。
以上のように、炭水化物は適量摂取することで健康に大きく寄与することができます。
4に関しては、一時的なストレス発散になりますよね!
米にあうおかずをワンバウンドさせたら幸せやん!てなりません?
摂取する糖質の量や質には注意が必要ですが、炭水化物を適切に摂取することは、健康な食生活への重要な基盤のひとつです。
続いて、炭水化物摂取におけるデメリットについて見ていきましょう。
- 肥満リスクの増加
炭水化物の過剰な摂取によって、身体が消費できないエネルギーが脂肪として体内に貯蔵されることがあります。
そのため、炭水化物の過剰摂取は、肥満やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病のリスクを増大させる可能性があるとされています。
- 糖尿病のリスク
炭水化物はブドウ糖に分解され、血糖値を上昇させます。
この上昇した血糖値は、膵臓から分泌されるインスリンによって調整されますが、過剰な摂取によって膵臓がインスリンの分泌に追いつかず、血糖値が上昇し続けてしまうことがあり、糖尿病のリスクを増大させることがあります。
- 消化器官の負荷の増大
炭水化物の精製、加工食品の摂取などによって、消化器官に負担をかけることがあります。
また、食物繊維の不足も、消化器官の動きを鈍らせ、便秘や腸内環境の悪化などを引き起こす可能性があります。
- 歯の健康
炭水化物の甘い味には、歯に悪影響を与える酸が含まれていることがあります。
この酸性物質が歯に作用することで、歯の健康に害を及ぼすリスクがあります。
以上のようなデメリットがあるため、適切な炭水化物の摂取量や質に注目することが大切です。
美味しいんだけどね…脂肪と糖。
でもアラフォーになると3食しっかり摂ると身体重くなる自覚はある…。
消化器がんばえー!
炭水化物の摂取で起こりうるメリットとデメリットは何となくわかりましたよね。
うまく炭水化物とつきあっていくには、どうすればいいのでしょうか?
炭水化物の摂り方を考える
最近では過度な糖質制限がもたらす様々なデメリットが判明し、あらたに『ゆる糖質オフ』というものが主流となってきましたよね。
フィジークとかに出る人は別として!
『ゆる糖質オフ』とは、厳しい糖質制限は行わず、普段の食生活から簡単に糖質控えることができる健康法です。
ゆる糖質オフは、主食の量を減らしたり、炭水化物の質を変えたりすることで、糖質摂取量を減らすことができます。
ゆる糖質オフは、リバウンド防止のために続けられることが重要であるため、食事制限の厳しさやストレスを抑えることが大切です。
そのため、炭水化物を完全に制限しなくても、適切な量でバランスの良い食事をとることが重要なこちらの健康法。
流行し始めてから、『白い炭水化物は避けよう』という言葉や『ホールフード』などの言葉をよく見かけるようになりました。
白い炭水化物とは?
『白い炭水化物』とは、白米や精製された小麦粉で作られたパン・麺類などの食品を指します。
これらの食品は、穀物を精白する過程で、もともと含まれていたビタミン、ミネラル、食物繊維が失われ、ほぼ糖質だけになっている状態。
しかも、栄養素が除去されているため、体内で消化吸収される速度が早く、急激な血糖値の上昇を促すことがあります。
白い炭水化物には、長期的に偏った食生活をすることで、肥満やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病のリスクを増加させる可能性があるとされています。
その白い炭水化物の摂取を避けるために出てきた言葉が『ホールフード』です。
ホールフードとは?
ホールフードとは、加工食品を極力避け、可能な限り自然の状態で食材を摂取することで、健康を増進する食事スタイルを指します。
つまり、あらゆる食品を最も原始的な形態で消費し、できる限り加工された食品を避けることを意味します。
ホールフードで摂取するのは、できるだけ新鮮な野菜や果物、穀物、豆類、ナッツなど、栄養豊富な自然素材で、化学添加物や保存料などの人工的な成分が含まれていないものです。
野菜は皮なども食べようというプラントベースホールフードということばなんかもあります。
マクロビオティックの「食べ物は、丸ごと食べるほうがいい」という
『一物全体』と通じる考え方ですよね。
ホールフードを摂取することで、消化器官の負担が減り、体内に必要な栄養素をバランス良く摂取できます。
また、自然食品は食物繊維が豊富なため、腸内環境を整え、便秘や病気の予防にも役立ちます。
摂取すべき身体に良い炭水化物
良質な炭水化物には、主に以下の特徴があります。
- 食物繊維の豊富さ:良質な炭水化物は、消化吸収がゆっくりなため、腸内環境を整える食物繊維が豊富に含まれます。
このような炭水化物は、便秘の解消や糖尿病予防に効果があります。 - 栄養素の豊富さ:良質な炭水化物には、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質などの栄養素が豊富に含まれます。
特に、全粒穀物や野菜、果物に多く含まれています。 - 低GI値:良質な炭水化物は、消化吸収がゆっくりなため、血糖値の上昇を抑える効果があります。このため、GI値の低い炭水化物が良質であるとされます。
- 加工度が低い:良質な炭水化物は、加工度が低く、食品に含まれる栄養素が壊れたり、糖分や脂肪分が増えたりしないことが重要です。
以上の特徴を持つ炭水化物は、健康的な身体の維持に役立ちます。
食物繊維の豊富な炭水化物
食物繊維の豊富な炭水化物といえば、以下のようなものがあります。
- 玄米:白米と比べて食物繊維が豊富で、胃腸の調子を整えたり、コレステロール値を下げたりする働きがあります。
- カラスムギ:小麦の一種で、食物繊維が豊富でGI値も低く、便秘解消や食後の血糖値上昇を抑える効果があります。
- そば粉:小麦ではなくそばの実を挽いた粉で、食物繊維が豊富でGI値も低く、腸内環境の改善に効果的です。
- さつまいも:食物繊維だけでなく、βカロテン、ビタミンC、ビタミンB6、カリウムといった栄養素も豊富で、アンチエイジング効果も期待できます。
これらの食品は、健康的な食生活に取り入れることで、栄養バランスを整え、健康を維持するのに役立ちます。
栄養素の豊富な炭水化物
栄養素の豊富な炭水化物といえば、以下のようなものがあります。
- オートミール:食物繊維や、βグルカンという水溶性繊維を豊富に含み、コレステロール値の低下や、血糖値の上昇を抑える効果があります。
また、ビタミンB1やB6、鉄分、マグネシウムなども含んでいます。 - ざくろ:ポリフェノールが豊富で、抗酸化作用が高い果物です。
また、食物繊維やビタミンC、ビタミンK、カリウムも含みます。 - キヌア:食物繊維、タンパク質、ミネラル、ビタミンEなどを含み、栄養価の高い穀物です。また、グルテンフリーであるため、アレルギーの心配もありません。
これらの食品をバランス良く食事に取り入れることで、炭水化物だけでなく、様々な栄養素を効率よく摂取することができます。
低GI食品を選ぶ
良質な炭水化物を摂取する一つの目安として、鄭GI値の食品を選ぶことがいいとされています。
GI(グリセミック・インデックス)とは
食品が摂取したあとどのくらいの速さで血糖値を上昇させるかを示す指数です。
GI値が低い食品は、血糖値の急激な上昇を抑え、エネルギーを長時間にわたって供給することができます。
一方、GI値が高い食品は、血糖値を急激に上昇させ、その後急速に下降させます。
血糖値の急上昇・急下降が繰り返されると、身体への悪影響が起こるとされています。
急上昇の場合…膵臓から分泌されるインスリンが多く必要となります。
長期的に急上昇が続くと、高血糖になり、肥満や糖尿病のリスクが高まることが知られています。
急下降の場合…食後の能力低下やめまい、集中力の低下などを引き起こすことがあります。
また、強い空腹感を感じ次の食事で過剰に食べてしまう危険性があります。
以上のことから、血糖値の急上昇・急下降を防ぐためには、GI値の低い食品を選択することが良質な炭水化物摂取への近道となるのです。
低GIな炭水化物
低GIな炭水化物として、以下のような食品があります。
- 玄米:白米に比べて消化吸収がゆっくりなため、GI値が低い炭水化物の代表格。
食物繊維やミネラル、ビタミン、抗酸化物質なども豊富です。 - オートミール:フィベリンという食物繊維、βグルカンという水溶性繊維を含むため、GI値が低く、コレステロール値の低下や血糖値の上昇を抑える効果があります。
- 野菜:キャベツ、ブロッコリー、スピナッチ、トマト、人参、かぼちゃ、サツマイモ、とうもろこしなどがGI値が低いため、炭水化物として摂取しやすいです。
- バーレー:オートミール同様に、フィベリンやβグルカンが豊富に含まれ、GI値が低く、コレステロール値の低下や血糖値の上昇を抑える効果があります。
- キヌア:食物繊維、タンパク質、ミネラル、ビタミンEなどを含み、GI値が低いため、消化吸収がゆっくりで、血糖値の急上昇を抑えます。
これらの食品を選ぶことで、上手に GI 値をコントロールし、健康をサポートすることができます。
加工度が低い炭水化物
加工度が低い炭水化物としては、以下のようなものが挙げられます。
- 野菜:生野菜や茹で野菜など、加工されていない野菜は加工度が低く、栄養素も摂取しやすくなっています。
- 果物:新鮮な果物も加工度が低く、ビタミンや抗酸化成分なども豊富に含まれています。
- 無加糖の豆乳や豆腐:大豆を原料とした食品は、加工度が低く、たんぱく質やイソフラボンなどが含まれています。
- 茶葉:お茶は、摘み取ってから加工工程が少ないため、加工度が低く、カフェイン、アミノ酸、ビタミンCなどの成分がたっぷり含まれています。
- 精製されていない全粒穀物:玄米や全粒小麦、全粒オーツ麦などは加工度が低く、食物繊維やミネラル、ビタミン類なども豊富に含まれています。
これらの加工度の低い食品は、できる限り新鮮で、無添加のものを選ぶことで、身体にやさしく栄養を補充することができます。
以上の項目で見ていくと、どこでもランクインしている『玄米』は本当に優秀な食品ということがわかりますね!
まとめ
うちの旦那さんか玄米アンチ。
何故か、玄米を炊くことは禁じられていたのです。
しかし今回の記事を書こうと決め、色々調べていくうちにやっぱり玄米生活に変えたい!と思い、私だけ玄米生活をスタートさせました。
なので3人家族で炊飯器2台(笑)
お米は無洗米タイプなので簡単なんですけどね。
こちらは研がなくていいし、白米モードで炊けるのでかなり便利です。
なにより美味しい!
息子は玄米の方を食べたがるので、早く旦那もシフトしてくれないかなと思う日々です。
炭水化物は、健康的な生活に必要な栄養素であり、バランスの良い食生活を実現するために大切な役割を果たしています。
良質な炭水化物を積極的に摂取し、身体に必要な栄養素を手軽に補い、健康な体を保っていきたいですね。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。