健康的な生活を送るためには、私たちの体の中で重要な役割を果たしている腸の健康を維持することが欠かせません。腸は消化吸収の場所であり、免疫機能の中心的な役割も担っています。
今話題の「腸活ブーム」ですが、腸活には一つの正解はなく、自分の体質や生活リズムに合わせて、柔軟に取り組むことが大切だということはご存じでしょうか?
近年、発酵食品が腸活ブームの中心となり様々な方法やレシピがSNS上で発信されています。
しかし、発酵食品に含まれるヒスチジンが腸内細菌によって分解されてヒスタミンが生成されアレルギー症状を発症したり
そもそも大豆や牛乳など使用する食物にアレルギーがあったり
発酵食品の代表格であるキムチなどは、胃腸が弱い人にとっては、刺激の強い食べ物を食べるのは逆効果になる可能性があります。
そこで腸活を行うのに最も大切なのが「いつでも、だれにでもできる方法である」ということ。
今回はそんな腸活の方法をご紹介します。
その方法とは『腸を温める』と『よく噛んで食べる』ということです。
腸活とは
腸活とは、腸内環境を整えるための様々な取り組みのことを指します。
具体的には以下のような活動が含まれます。
食事の改善
- 食物繊維の多い食品(野菜、果物、雑穀など)を積極的に摂取する
- プロバイオティクス(乳酸菌やビフィズス菌など)を含む発酵食品を取り入れる
- 脂肪や糖分の取りすぎを避ける
サプリメントの活用
- プロバイオティクスサプリメントを補助的に摂取する
- プレバイオティクス(腸内細菌の餌となる食物繊維)を含むサプリメントを活用する
ストレス管理
- ストレスを溜め込まないよう、瞑想やヨガ、適度な運動などでリフレッシュ
- 適度な睡眠時間の確保
これらの取り組みを組み合わせることで、腸内環境を整え、免疫力の向上や、様々な疾患のリスク低減などの効果が期待できます。
腸活の重要性について
健康的な腸内環境を維持することは、私たちの全身の健康に大きな影響を及ぼします。
腸は消化吸収の場であるだけでなく、免疫機能の維持や、ストレス反応の調整など、様々な重要な役割を担っています。
腸内には100兆個以上の細菌が生息しており、これらの腸内細菌叢のバランスが崩れると、様々な健康問題につながる可能性があります。
例えば、腸内細菌の偏りは、アレルギー、自己免疫疾患、うつ病、認知症などのリスク上昇と関連していることが分かっています。
誰でも簡単にできる腸活の2つの基本
腸の働きと体温の関係
体温が低いと、腸の働きが鈍くなり、便秘や下痢などの症状が現れやすくなります。
逆に、体温が上がると、内臓の働きが活発化し、免疫力も5~6倍に上がるといわれています。
体温の上昇は内臓の動きだけでは難しく、身体の内側と外側、つまり体全体を温めることが重要です。
腸を温めることの効果
1.腸の働きが活発化する
腰背部やお腹を温めると、腸のぜん動運動が促進され、便秘などの慢性的な腸の不調が改善されます。
つまり自然な便通を促す効果も期待大と言えます。
2. 免疫力が上がる
体全体の温度が上がると、免疫細胞が活発に動いて、ウイルスや細菌と戦える状態になります。
冷えた体では免疫細胞が本来の力を発揮できません。
3. 血行が改善される
湯たんぽやカイロ、入浴などで物理的にお腹を温めることで、冷えの改善に効果的です。
皮膚を温めることで、内臓の血行も改善されます。
しかし、腸は体内にあるため、外から直接温めることはできません。
そのため、冷たい食べ物からの刺激を減らし、体全体を温めることが大切です。
つまり、腸を温めることで、腸の働きが活発化し、免疫力の向上や血行改善などの効果が期待できます。ただし、腸への直接的な温め方は難しいため、体全体を温めることが重要です。
温活の具体的な方法
では、どうやって温めればいいのか…以下で腸の温め方とそのコツについて詳しくまとめてみました。
腸の温め方とコツ
①まずは、体全体を温める
前述しましたが、腸は体内にあるため、直接的に温めることは難しいです。
そのため、体全体を温めることが大切。湯たんぽやカイロ、入浴などで皮膚を温めると、内臓の血行も改善されます。
敏感肌の腸内環境改善強化③
— みどり|生活習慣と食事で肌荒れ改善 (@hada_midori) June 26, 2024
白湯を飲んで、腸を温める。
毎朝の白湯に加えて日中の水分補給も白湯に変更。
こんな暑いのになんで!?と言われるけど、この方が体が楽なんだよね。
冷たい飲み物が我慢できない時は、冷たい物を飲んだ直後に白湯を飲む。
そうするとなかったことになる。たぶん
② 温かい飲み物やスープを摂る
温かい飲み物やスープを飲むことで、体内から腸を温めることができます。
特に以下の温活食材を使ったスープは効果的ですので、是非摂り入れてみてください。
【腸を温める食品】
生姜…生姜には体を温める作用があり、腸の血行を改善して腸の働きを活発化させます。
ニンニク…ニンニクにも体を温める効果があり、腸の血行を改善して腸の働きを活発化させます。
唐辛子…唐辛子にも体を温める効果があり、腸の血行を改善して腸の働きを活発化させます。
食物繊維…食物繊維たっぷりの食材を積極的に摂取することで、腸を長時間にわたって温めることができます。
これらを積極的に取り入れることで、腸の働きを活発化させ、体の内側から温めることができます。
また、朝の習慣として白湯を飲む人が多いようです。
敏感肌の腸内環境改善強化③
— みどり|生活習慣と食事で肌荒れ改善 (@hada_midori) June 26, 2024
白湯を飲んで、腸を温める。
毎朝の白湯に加えて日中の水分補給も白湯に変更。
こんな暑いのになんで!?と言われるけど、この方が体が楽なんだよね。
冷たい飲み物が我慢できない時は、冷たい物を飲んだ直後に白湯を飲む。
そうするとなかったことになる。たぶん
③腸活運動を行う
腸の蠕動運動を活発化させるため、腹部マッサージやストレッチなどの腸活運動が効果的です。
腰や腹部を優しく揉むように温めることで、血行が改善され、腸の働きが活発化します。
できれば一度プロの技術を体験し、お家での実践方法を教えてもらうのもアリですね。
④食物繊維を意識的に摂取する
食物繊維たっぷりの食材を積極的に摂取することで、腸を長時間にわたって温めることができます。
今日は切干大根を作りました!
— LAKO@ゆるっと簡単!腸活アドバイザー😌 (@LAKO2525) July 5, 2024
切り干し大根には食物繊維がたっぷりと含まれていて、腸の働きを正常化し、便秘を予防・改善したり、大腸がんのリスクを減らしたりすることができます😁
また、食物繊維が多いことから噛み応えがあるので、咀嚼回数も増えて
口内の健康やダイエットにも効果的です😆… pic.twitter.com/hSuu3ChoIh
つまり、体全体を温めることが大切で、温かい飲み物やスープ、腸活運動、食物繊維の摂取などが効果的な腸の温め方のコツです。
これらを組み合わせることで、より効果的に腸を温めることができます。
よく噛んで食べることの効果
次に、だれにでもできる腸活「よく嚙んで食べること」についての効果をまとめてみました。
咀嚼の重要性ー咀嚼がもたらす変化
咀嚼は単に食べ物を細かく砕くだけではなく、健康維持にとても重要な役割を果たしています。
1.食べ物が消化吸収されやすくなる。
まず、よく噛むことで食べ物が細かく砕かれ、胃腸への負担が軽減されます。大きな塊のまま胃に入ると、消化に時間がかかり、胸やけ、腹痛などの症状が現れることがあります。しかし、よく噛むことで食べ物が細かくなるため、胃腸への負担が和らぎ、スムーズな消化が期待できます。
また、食べ物をしっかりと噛むことで、唾液の分泌が促され、消化酵素が効果的に働きます。
これにより、栄養素をより効率的に取り入れることができるのです。
唾液には消化酵素が含まれており、食べ物をより効率的に消化することができます。
また、唾液にはバクテリアを抑える作用もあるため、口腔内の衛生状態も保たれるそう。
2.脳の活性化にも効果的。
咀嚼をすることで、脳の血流が良くなり、酸素供給が高まります。これにより、脳の活動が活発化し、認知機能の向上や記憶力の改善にもつながるのです。
3.顎の筋肉を鍛え、顔の筋肉の緊張を和らげ、表情が柔らかく。
顎の筋肉が強化されることで、顔の筋肉全体の緊張が和らぎ、自然な表情が作れるようになります。
これにより、ストレス解消や精神的な安定にもつながるのです。
4.腸内環境の改善
咀嚼は、食物の消化を促進し、腸内への適切な栄養供給につながります。これにより腸内細菌の生育環境が整い、腸内細菌叢が改善されます。
腸内細菌叢の改善は、免疫機能の向上や便秘の改善など、腸内環境の全体的な改善につながります。
また、咀嚼は、リラックス効果があるのだとか。
私的にはナッツなどの固いものをゴリゴリ噛むのが好きです。
ストレスの軽減は、腸内環境の改善にも寄与するそうです。
つまり、咀嚼は単なる食べ物の消化にとどまらず、健康維持や脳機能の向上、ストレス管理、腸内環境の改善など、私たちの全身の健康に深くかかわっているのです。
日頃から意識的に丁寧に咀嚼することが大切だと言えます。
推奨される咀嚼回数
腸活のために推奨される咀嚼回数については、以下のようなことが言われています:
①30回以上の咀嚼
- 一般的に、食べ物を30回以上よく噛むことが推奨されています。
- これにより、食物が十分に細かく砕かれ、消化吸収が良くなります。
【驚愕】看護師を20年してますが、早食いの人が多すぎて悲しい。早食いは満腹感が得られず、大食いの原因に。噛まないので唾液が出ずに、虫歯や歯周病、口臭のリスクに。血糖値の急激な上昇で、血管にダメージを与えます。長年の習慣なので無意識なことも多いです。ついつい早食いになっちゃう人は↓ pic.twitter.com/pVN0T0wc09
— ひろ🌙 (@hiroMU202309) June 30, 2024
②食べ物の性質に合わせた咀嚼回数
- 硬い食べ物は40回以上、柔らかい食べ物は20回程度の咀嚼が目安とされています。
- 食べ物の性質に合わせて咀嚼回数を調整することが大切です。
③食べる時間の確保
- 食事に20~30分かけて、ゆっくりと食べることが推奨されます。
- 早食いは消化不良を招くため避けるべきです。
④意識的な咀嚼
- 単に回数を数えるだけでなく、食べ物の味わいや食感を意識しながら咀嚼することが重要です。
- 意識的に咀嚼することで、消化吸収が良くなります。
因みにマクロビオティックでも咀嚼は推奨されており「食事をゆっくりよく噛んで食べる」ことでセロトニンが分泌され、ストレス軽減や自律神経の改善が期待できると発信しています。
このように、腸活のためには30回以上の咀嚼、食べ物の性質に合わせた咀嚼回数、ゆっくりとした食事時間、意識的な咀嚼が推奨されます。これらのポイントを意識して実践することで、腸内環境の改善が期待できます。
まとめ
今回は、腸活の重要性を再確認しながら、健康的な腸内環境を手に入れるためには、「温める」と「よく噛む」の2つの基本を意識して実践することが重要であるということについてまとめてみました。
7月現在、こう毎日暑いと、冷たいものを摂取しがちだったり、入浴をさけてシャワーでけなんてことも多くなり身体を冷やす場面が多くなります。
また、夏バテによって調理するのも、食べるのも億劫になり、簡単なもので食事を済ませようとして自然に咀嚼回数の少ない食事メニューを選んでしまいがちですよね。
腸活ブームによってさまざまなアイテムや発酵食が注目されていますが、この基本的な2つの動作を習慣化させて身につけることの方が何よりも大切なんだなと今回改めて勉強になりました。
今日から意識してみたいと思います。
マクロビ食事法による温活については過去にも記事をupしておりますので、是非ご覧ください!
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。