「笑いは最高の薬であり、最も安価な治療法である」という言葉があるように
笑うことは私たちの健康に素晴らしい効果をもたらすことが知られています。
近年では、医学の分野で笑いの効果に着目した研究が進められています。
笑うことで体内のナチュラルキラー細胞(NK細胞)が活性化し、その結果免疫力が高まり、病気の予防や改善に役立つなど、「笑い」と健康との関係が科学的に証明され始めました。
この記事では、笑いの力がもたらす驚くべき効果について詳しく探っていきます。
笑いの科学: 笑いのメカニズムと脳への影響
笑いは私たちの脳に様々な影響を及ぼす科学的なメカニズムがあることはご存じでしょうか?
脳内での笑いの反応は、喜びや幸福感を引き起こす神経伝達物質や脳の領域と密接に関連しています。
以下に、笑いの科学的なメカニズムと脳への影響について簡単にまとめてみました。
- エンドルフィンの放出: 笑いは脳内でエンドルフィンと呼ばれる快楽ホルモンの分泌を促進します。
エンドルフィンは痛みを軽減し、心地よい感覚や高揚感を生み出す役割を果たします。
笑いによってエンドルフィンが放出されることで、私たちは幸福感やリラックス効果を体感することができます。 - ドーパミンの増加: 笑いは脳内のドーパミンの分泌を刺激します。
ドーパミンは報酬系と関連しており、快楽や喜びをもたらす役割を果たします。
笑いによってドーパミンのレベルが増加することで、私たちは楽しさや興奮、前向きな気分を感じることができます。 - ストレスホルモンの低減: 笑いはストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を低減させる効果があります。
笑いによってリラックス状態が促進され、ストレスや不安の軽減につながります。
また、コルチゾールの低減によって免疫力が高まり、健康状態の改善にも寄与します。 - 脳の応答と結びついた領域: 笑いには、脳の一部の領域が関与しています。
特に、前頭葉や海馬、扁桃体、辺縁系などの領域が笑いの刺激に応答し、喜びや感情の処理に関与しています。
これらの領域の活性化によって、笑いによるポジティブな影響が生じるのです。
これらの笑いの科学的なメカニズムによって脳への影響が生まれ、私たちは笑いによって心地よさや幸福感を感じることができます。
笑いはストレス軽減や心の健康の促進など、健康面においても重要な役割を果たしています。
笑いがもたらす健康効果
笑いにはさまざまな健康効果があります。
以下に、笑いがもたらす具体的な健康効果について簡単にまとめてみました。
- ストレス軽減: 笑いはストレスホルモンの分泌を低減させることが知られています。
ストレスの原因となるコルチゾールやアドレナリンのレベルを下げ、リラックス状態を促します。
その結果、心身の緊張がほぐれ、ストレスの軽減に繋がります。 - 免疫力向上: 笑いによって免疫系が活性化し、免疫力向上に寄与するとされています。
笑いによってエンドルフィンやドーパミンが分泌され、これらの物質が免疫系の機能を高めると考えられています。
免疫力の向上は、感染症や炎症のリスクを低減し、健康をサポートする効果があります。 - 心臓の健康維持: 笑いは心臓の健康維持にも良い影響を与えます。
笑いによって血管を拡張させ、血流を改善する効果があります。
これにより、心臓への負担が軽減され、心臓病や高血圧のリスクが低下する可能性があります。 - 痛みの軽減: 笑いは自然な鎮痛効果をもたらすことが知られています。
笑いによってエンドルフィンが放出され、痛みを軽減する効果があります。
また、笑いによって筋肉の緊張が和らぎ、身体の痛みを和らげることもあります。 - 心の健康向上: 笑いは心の健康を促進し、ポジティブな思考パターンを促します。
ストレスの軽減や幸福感の増加によって、うつ症状や不安を軽減する効果が期待されます。笑いによってリラックスし、心地よい気分を得ることで、心のバランスを整えることができます。
近年、笑いと健康との関係性がさまざまな角度から科学的に解明されています。
笑いの頻度が少ないと介護が必要になるリスクが高まることを明らかにした研究が名古屋大学大学院予防医学の竹内研時准教授などの研究グループにより実施されました。
以下が研究結果になります。
名古屋大学大学院予防医学の竹内研時准教授などの研究グループは、介護を受けていない高齢者1万4,000人余りを3年間追跡し、日常生活で声を出して笑う頻度と、その後の介護の必要性や死亡との関連について分析。
結果、ほとんど笑わない高齢者は、ほぼ毎日笑う高齢者に比べて、笑う頻度と死亡との関連は見られなかったが、身の回りのことが1人でできなくなる「要介護2」以上の介護が必要になるリスクが1.4倍高くなっていた。
JAGES(日本老年学的評価研究:Japan Gerotological Evaluation Study)
健康ひょうご21県民運動ポータルサイト
プレスリリース
「笑わない人は要介護リスクが1.4倍高い」(PDFファイル)
https://www.jages.net/library/pressrelease/?action=cabinet_action_main_download&block_id=3333&room_id=549&cabinet_id=224&file_id=8362&upload_id=10020
これまで笑いの効果については、ほとんど笑わない人はよく笑う人に比べて脳卒中や心臓病を患っている割合が高いことが報告されていました。
しかし今回の研究のように、笑いの頻度が少ないと介護が必要になるリスクが高まることを明らかにした研究は世界でも初めてとのことです。
笑いが美容に与える影響とは
笑いは健康だけではなく、美容にも多くの利点をもたらすこともわかっています。
笑いによるストレス軽減とリラックス効果、血行促進、顔の筋肉のトレーニング、そして自信と魅力の向上は、美しい姿勢や健康な心身をサポートすることに繋がります。
また笑いは意外にも美肌作りに影響をもたらすと言われています。
笑いがに与える美肌作りに与える影響は以下の通りです。
- 血行促進: 笑うことで心拍数が上がり、血液の循環が良くなります。
血行促進によって、酸素や栄養素が皮膚に効果的に送られます。
これにより、肌の代謝が活発化し、健康的な輝きを取り戻すことができます。 - 肌のリラックス: 笑いはリラックス効果があります。
ストレスや疲労が蓄積されると、肌の状態が悪化することがありますが、笑うことでリラックスし、肌の緊張をほぐすことができます。
肌がリラックスすることで、ハリや弾力がアップし、乾燥やシワの改善にもつながります。 - 抗ストレス効果: 笑いはストレスを軽減する効果があります。
ストレスは肌トラブルの原因となることがありますが、笑うことでストレスホルモンの分泌が抑制され、心身のリラックスを促します。
抗ストレス効果によって、肌のトーンや質感が改善され、輝くような健康な肌が得られます。 - 免疫力の向上: 笑いは免疫力を向上させる効果があります。
免疫力が低下すると、肌のトラブルが発生しやすくなりますが、笑うことで免疫力が高まり、肌の健康をサポートします。
免疫力の向上によって、肌の抵抗力が増し、炎症やニキビなどのトラブルを予防することができます。 - ポジティブなエネルギーの放出: 笑顔や笑いはポジティブなエネルギーを放出します。
ポジティブなエネルギーは心身に良い影響を与え、肌の健康をサポートします。
笑いによって心が軽くなり、肌が明るく輝くような印象を与えることができます。
以上の要素によって、笑いは肌の健康を促進します。
笑って楽しく過ごすことが、心身の健康にも美容にも良い影響を及ぼすというのは嬉しい発見ですよね。
まとめ
この記事を書いている間に、年が明け2024年を迎えました。
お正月には親しい人と過ごすことや、お正月特番などでお笑いが放送されることから今回この『笑い』がもたらす健康や美容への嬉しい影響についてまとめようと思いました。
しかし、1月1日能登半島大地震が発生しました。
被害を受けられた地域の皆様、謹んでお見舞い申しあげます。
余震が続き、ご不安が絶えない中にいらっしゃるかと存じます。
どうか身の安全を第一にお過ごしください。
そして一日も早く、平穏な日常を、大切な人たちと笑い合える日を
取り戻せますことをお祈りいたします。